2024/04/02 20:33
焙煎についてのお話をひとつ。
コーヒーを飲む際、コーヒー豆を焙煎する必要があり、Plus Coffee roaseterでは、その工程を担っているわけですが、焙煎と言っても火を入れる度合いによって、味わいが大きく変化します。
一般的に火を入れる時間を短くしたほうが明るい茶褐色の外見・酸味の強い味わいになります。一方、火を入れる時間を長くしたほうが黒に近いこげ茶色の外見・苦みの強い味わいになります。
また、火の入れ具合を「焙煎度」と呼び、外見の色によって焙煎度合いの呼び名を何段階かに分けて表現しております。
例えば浅煎りだったり、深煎りだったり、フレンチローストだったり。様々ありますが、一般的には以下のように表現されており、Plus Coffee roasterでも同様の表現をしております。
火入れ時間が短い(=焙煎度合いが浅い)
・ライトロースト(極浅煎り)
・シナモンロースト(浅煎り)
・ミディアムロースト(中浅煎り)
・ハイロースト(中煎り)
・シティロースト(中深煎り)
・フルシティロースト(深煎り)
・フレンチロースト(深煎り)
・イタリアンロースト(極深煎り)
火入れ時間が長い(=焙煎度合いが深い)
以上の8段階で分けられることが一般的かと思います。
もちろん区分けがあるということは、閾値があるわけなのですが、専門的な込み入った話はおもしろくないので割愛(一応、この記事の下に載せます)。
弊店では、シナモン~シティローストの焙煎度合いのコーヒー豆を提供する傾向にあると思います。というのも、個人的にこのあたりの焙煎度合いのコーヒーが好きなため、選ぶコーヒー豆もこの度合いで一番おいしくなる銘柄となってしまうのです。
また、コーヒーを焙煎する際にも様々な器具・機械・方法があるわけですが、弊店ではAillio社のBullet R1という焙煎機を使用しております。
焙煎機というと、もしかしたらでっかい機関車の先頭のような外見をイメージされる方もいらっしゃるかと思います。
たくさんの量を焙煎する場合は、そのようなでっかい焙煎機を使われているお店も多いですが、弊店ではこの記事の画像のような4足歩行(?)外見の焙煎機を使っております。大きさでいうと中~大型犬くらいの大きさです。
火の種類も、コンロのようにガスで火を調節するものではなく、電気ヒーターみたいな熱源がついている、いわゆるIH式のものとなります。こんなんでコーヒーに火を入れるほどの火力が出るのかぁ、と焙煎している時に毎回関心してしまいます。
かがくの ちからって すげー! ですね。
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ここからは少しギーク向けの話になるかもですが、焙煎度合いについてのお話の補足です。
弊店では焙煎度合いをアグトロン値により表記を決定しております。(Ag=アグトロン値。不等号が環境依存文字でしたらすみません)
ライト・・・91以上
シナモン・・・81 ≦ An < 91
ミディアム・・・71 ≦ An < 81
ハイ・・・61 ≦ An < 71
シティ・・・51 ≦ An < 61
フルシティ・・・41 ≦ An < 51
フレンチ・・・31 ≦ An < 41
イタリアン・・・31未満
また、アグトロン値の判別については、DiFluidの「DiFluid Omni」を使用し、豆時および粉時でアグトロン値を測った際の平均値を採用しております。
最近買った代物なのですが、使っているだけでかなり楽しいです。自分で焙煎したコーヒー豆はもちろん、他のお店で買ってきたコーヒー豆を測って、どのような結果になるのか、どのように焙煎したらこの結果となるのかを推測し、自分でも再現してみる という実験が面白いです。
ただ、接続機器がスマートフォンのみとなっており、PCに接続して使うことができないのが少し難儀だなぁ と思いつつ、PCアプリは開発されないだろうなぁ という時代の流れを感じました。 だって、スマホだとエクセルでデータ整理・活用しにくいじゃないですか!
一応焙煎時のデータを多角的に取得し、異なる機器から出力されたデータを1つにまとめて整理するようにしているのですが、そういう作業をするにはやっぱりまだスマートフォンじゃあ能力不足だろうな と思いますので。
でも、そのうち今とってるデータも、焙煎時の気候から焙煎時間、Ag値、味の評価まで一括したシステムによって処理・整理されるサービスがが近いうちにできるんだろうなぁ と思ってます(スマホで簡単に結果を閲覧できるように)。
また、そのデータも、たくさんのロースターが使えば膨大なデータ量になるわけですから、そのデータを学習したスマート焙煎機が出来て、コーヒーのロットと仕上がりの味イメージを決めるだけで、簡単にコーヒー豆ができる時代がくるんだろうなぁ とも思います(ストロングホールドよりも、もっと変数の多い処理をするやつ)。
こじんまりとですが、そんな個人的に合理的で論理的な工程を踏んで、それが今のところ理想だと思っている一方、やっぱり感性での焙煎も大事にしたいなぁ とちぐはぐな感情を抱いた次第です。